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うつ病後の気持ちの変化、そして夫との出会いで心が安定した
ホステス歴18年間、約3万人を見てきた婚活コンサルタント 嶋 かおり さんが語る。「理想のパートナーを見つけられる人と、そうでない人の違いとは?」全4弾。今回は2回目をお送りします。
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#01 ホステス歴18年間、約3万人を見てきた婚活コンサルタントが語る。「理想のパートナーを見つけられる人と、そうでない人の違いとは?」
「うつ病になってよかったです。それまでは何かしたいことがあっても行動できない人の気持ちが分からなかったから。うつ病になってからは、できないことってたくさんあるという、色んな人の弱い部分が分かった。発症から4、5年くらい経ったときにその経験が、良かったなと思えるようになりました」
うつ病をきっかけに、人を思いやる気持ちの大切さに気づいた嶋さん。うつ病からどのように立ち直ったのでしょうか。
「20代のころはずっと薬を飲んでいました。でも発症から4、5年後、薬を飲むのが面倒くさくなってしまって(笑)飲まなくても平気と気づいてからは、薬の量が減っていきました。睡眠導入剤も当初はいっぱい飲んでいましたが、無理やり寝る感じで何時間寝てもすっきりしないんですね。だから薬に頼っていちゃだめだという感覚が芽生えました」
その後、病院に通う頻度も減ったという嶋さんが、自己治癒できた理由。それは夫との出会いも大きいそうです。
「8歳年下の夫とは、28歳のときに出会いました。きっかけはインターネットです。
そのあと、初めて夫と会った時は、正直言ってキモいとしか思いませんでした(笑) でも今では、いろんな人に写真を見せても「かっこいい」とか「かわいい」って言われます。
オンラインの世界はその人の本音が出る世界。そのなかで夫はとても優しい人だったのです。オンラインを通して、“人は顔を合わせなくても恋ができる”ということに気づきました」
嶋さんは夜の世界でも、オンラインの世界でも、人間のドロドロしたところをたくさん見ることになります。
「コミュニケーションだけで成り立っている世界での、他人の恋愛事情はとても面白かったです。私も大失恋のあと、恋愛のことについてはいろいろと考えてきたから興味がありましたし、気持ちの流れを分析したり、相談に乗ったりしていました。
ホステスのときの恋愛事情もたくさん知っていますが、オンラインも大きいですね。夜の世界も人の本音が見えますが、オンラインも終始本音の世界でした。
夫とはスカイプを通してやり取りはしていました。その後オフ会で何回か会って、最初に告白されたときは私が28歳で相手が二十歳。正直、恋愛対象外でした」
当初は旦那さんを恋愛対象として見られなかった嶋さんですが、どうしてお付き合いに至ったのでしょうか。
「一度は振りましたが半年後にもう1回告白されました。そのときに、私のことをこんなに思ってくれるんだ、と思えて、3回目は自分のほうから告白しました。
でも、そのころは、実は次の彼氏を探していました。何人か、当たりをつけてデートに誘って、自分がぴんと来るポイントを探していたんですね。もともと恋愛体質であまり彼氏を切らしたことがなくて。うつ病を発症した時も、その彼と別れて半年ぐらい期間が空きましたが、すぐに次の彼氏ができました。
もちろん、ちゃんとけじめをつけてから次の恋に進みますが、さびしかったんでしょうね。すぐ彼氏がほしくて、めちゃめちゃターゲティングしてましたから。だから、すぐに誘って、すぐに仲良くなってしまう。仲良くなって何かいろいろあって、また別れて。別れると次の彼氏がほしくなっての繰り返し。だんだん、どんな人と付き合ったほうが自分にとっていいのか、わかってきますし、どんな付き合いがうまくいくのかわかってきます。」
恋愛は錯覚。ドキドキは、自分から探しに行くから見つかる
「恋愛は錯覚から始まります。相手のことをそこまで深く知っているわけでもないのに、一部分にひかれると全部好きになってしまう。でも付き合ったらちょっと違うと感じて別れたりするんですよね。
恋愛って脳内麻薬で、恋愛ホルモンが分泌されます。それでドキドキの昂揚感が冷めながらも3年ぐらい続く。ドーパミンを分泌し続けることができれば、ずっと恋愛できると思います。本当に恋愛は錯覚ですよね。恋愛体質の人は、興奮状態やワクワクしているのが好きでそれを求めてしまうんですね」
自らを恋愛体質だと語る嶋さん。独身者に恋人ができない理由と、婚活のデメリットをこのように指摘しています。
「ワクワクを探しているから、恋人が見つかるのです。独身の人たちは、ワクワクドキドキモードになっておらず、相手の良い部分を一生懸命に探していないです。恋愛って、相手の良い部分に反応するのに、探してもないし、誘わないし「待ちゲーム」ばっかりしてるんです。これでは、見つかりません。
特に結婚となると疑って慎重になる人が多い。この人は本当に私にふさわしいのかしらって思ってしまうのです。だから私は“婚活”というくくり自体がよくないと思っています。1つには、相手から好かれるかどうかを意識してしまって、本当の自分を出せなくなってしまうから。でもそれって、疲れてしまいますよね。
そしてもう1つは、結婚相手としてふさわしいかという疑いの目で人を見てしまうからです。結婚相手としてではなく「どういう人なんだろう?」という「人として付き合う」視点で見たほうがいい。その方が相手の良い部分を探せるから。そして、その人から人間関係がつながって、その先に結婚相手がいることもあるんです。人を疑ってダメだしばっかりして、いい人いないや~といいつつ、いざ条件どおりの人がきたら、今度は恋愛したい~って悩みます。最初から恋愛したいのなら、結婚のために条件で人を切り捨てるのは辞めた方がよい。結婚に恋愛は必須条件ではないので、条件で結婚できる人ならそれでいいんですけど。」
自分に興味を持ってくれる人が好かれるのは、仕事でも同じですね。婚活も身構えるのではなく、友達づきあいと同じ感覚で良いと嶋さんは話します。
「友達の関係から結婚して幸せになっている人はたくさんいます。婚活はいろんな人の出会いがあるから、その出会いを大事にしてほしいと思います。そうしたら、色んな人がいるんだってわかるし、違った価値観も許容できる人間に自分が育っていきます。自分が広がれば、カップルで何かあった時も、相手の事を理解できるし、乗り越えていくことができます。選ぼうとか、選ばれるのにどうしようとかだと疲れるし、楽しくないですよね。せっかく、自分が成長する機会をドブに捨てないで、学びだと思って出会いを大切にすれば、成長した時に自分にふさわしい人があらわれます。」
結婚相手を選ぶのではなく、まずは人付き合いを楽しむことが大切
嶋さんが人付き合いを楽しんだほうがよいと思ったのは、婚活相談にのりはじめてからだと言います。
「結婚となると今までの恋愛相談してきた状況とは違う。でも、恋愛真っ最中に、本音でぶつかってきた人達とは違い、壁のある付き合いをしている人が多いのに気がつきました。
婚活の仕事を始める前に、ダイエットしようと思って美容の世界に足をいれます。ホステスは続けていましたが、そのとき私はもう35歳。ちょっとぽっちゃりしていて、代謝が悪い、食べなくてもやせない身体になっていました。
ダイエットの傍ら、婚活相談などのおせっかいを始めました。昔の友人に声をかけて久しぶりに会うことが楽しかった。結婚している人は子供もいて大変だからなかなか会えず、来られるのは独身者です。独身の友人と遊んでいると『いい人紹介して』と言われるし、私も恋愛事情が大好きだから、『彼氏いるの?』『彼女いるの?』と聞き返します。そこから紹介へ話が発展したり合コンを開いたりしていました」
始めはボランティアで婚活相談に乗っていた嶋さんですが、そこで相手のよい点を探す大切さに気づいたそうです。
「たとえば、ホステスをしているときにお客さんを嫌だなと思っていたら、お仕事は楽しくありません。でもどんなお客さんにもいいところはあるから、いいところ探しをしていました。お客さんをポジティブに見ることで、接客業は楽しくなります。
また20代後半は、ホステスとしての転換期でした。若くなくてもモテるためには、ただ褒めているだけでは通用しない。だから、自分を出して本音で付き合おうと思いました。あまりにも自分と合わない人に一生懸命こびを使っていてもしょうがないですよね」
お金をもらっているから喜ばせければいけないと思って、座って話を聞くだけの仕事に意味はない。そう嶋さんは話します。
「私はこうだと思います、と言いたいことも言いました。違うと思いますけれど~って甘えて伝えるなど工夫はしましたけれどね。本音で付き合ったら、向こうも本音で返してきます。そのやり取りが楽しい。自分が楽しめていないと、お客さんが楽しめません。男の人は女の子に喜んでもらうというのがごほうびになることに、20代前半のときは気づいていませんでした。
今、甘えられない女子がとても多いけれど、男性が何かをおごってくれても、何かお返しなければいけないわけじゃないんですよ。笑顔でありがとうって言ってあげることが男性にとって一番のごほうびです」
また、恋人募集中の友人へ誰かを紹介するときは、相手の長所を見たうえで友人にも紹介していると嶋さんは言います。しかし、なかなかその気持ちが伝わらないこともあったようです。
「みんな、ダメだしするんですよね。最初はよくてもお付き合いが進んでいくなかで、ダメだしが出てくる。私はどちらも良い人だと思って紹介しているから、それが苦痛で。なぜ細かいところにこだわって、良いところを見てくれないのと思っていました。結婚相手だと思うから、絞りたくなる、疑いたくなるんですよね。もっど、人付き合いを楽しんで欲しい。」
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